同冊子の目次は下記の通りです。
はじめにIPAのレポートと言うことで、DOM based XSSの届出の状況も説明されています。以下にグラフを引用します。
1. DOM Based XSSの概要
2. IPAに報告されたDOM Based XSSの脆弱性
3. DOM Based XSSの事例
4. DOM Based XSSの対策方法
コラム
おわりに
一見して「急増」していることと、昨年の10月から12月の3ヶ月で92件も届出があったということで、対策が急務となっている状況が見て取れます。これは、この時期に「脆弱なサイトやアプリが増えた」ということでは恐らくなく、潜在的に脆弱な状況であったものが発見され、届出されたということだと理解しています。
1章では、XSSの種類や、DOMとは何かというところから説明されています。本書の対象読者は一応DOMについては知っているはず(べき)だとは思いますが、この機会に理解を整理していただくとその後のDOM based XSSの理解が容易になると思います。
2章は届出の概要、3章は届け出られた脆弱性の中から4例を脆弱なコードとともに紹介しています。やはり「脆弱なコードの現物」は貴重ですし、勉強になることが多いと思いました。
4章は対策をコード例とともに載せています。原則はDOM操作用のメソッドやプロパティを使うことですが、document.writeやinnerHTMLを使わざるを得ないケースについては、文脈に応じたエスケープについて説明しています。
さて、徳丸はIPA非常勤研究員として、同冊子のレビュアーという形で参画していますが、DOM based XSSがテーマだけに、「あー、○○さんにもレビューいただけたらなぁ」(○○さんは複数)と思うことしきりでした。それだけに、今回公開して終わりと言うことではなく、さまざまな方からの知見を集めて、より良いものにしていきたいと希望しております。
なお、このエントリは個人の見解として書いているものであり、IPAとしての見解ではないことを付記いたします。
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